(注 このCDは制作および権利に関して宇都宮は何の関わりもありませんが、教材として斡旋紹介します。)
紅花林のセルフ・プロデュース版として2002年5月に発表。ウツノミア・プロデュース版の制作の前後に録音制作されたもので、楽曲はウツノミア・プロデュース版と6曲重複しているが、セルフ版ではオリジナル・アレンジを聴くことができる。さらに2曲は2001年録音であるためウツノミア版が紅花林に及ぼした影響を伺うことも可能である。
このセルフ版が出版されたのは、ウツノミア版の出版が原価回収すら不可能なほどの資金と時間の投入により制作されたものであるため、予定されていた出版会社が相次ぎ予定を白紙撤回し、そのため出版そのものが危ぶまれる事態に至り、またこの版がデビュー・アルバムであることからバンド側の不安材料となり、セルフ・プロデュースでの企画、出版となったもので、筆者にとっては大変な反省を促すべき作品である。楽曲解釈から編曲、演奏、ジャケット・デザインに至るまで、完全なセルフ・プロデュースで、録音そのものはいわゆる中規模スタジオによる平均的な仕上がりで、ウツノミア版との相互学習には最適な教材であると言える。
2002年 宇都宮 泰